匠人から歩いて5分「六角さん」と地元の人たちから呼ばれている紫雲山頂法寺
に行って参りました。六角堂は本堂の形が六角形であることから「六角堂」と
呼ばれています。
「六根清浄を願う」という祈りを込めて六つの形が作られたと言われています。
聖徳太子創建の寺、用明天皇2年に四天王寺建立のための用材を求めてこの地
を訪れた聖徳太子が、霊夢によって六角形の御堂を建て、自らの護持仏である
「如意輪観音像」を安置したと伝えられております。
また、いけばな発祥の地としても有名です。六角堂の北側に、聖徳太子が身を清めたと伝えられる池の跡があります。
この池のほとりに、小野妹子を始祖とする僧侶の住坊があり、「池坊」と呼ばれるようになりました。
家元池坊が住職を務め、特に室町時代後期の16世紀前半、池坊専応がいけばな理論を確立し、一般に『池坊専応口伝』と
呼ばれる花伝書を著しました。そこには、単に美しい花を観賞するだけではなく、草木の風興をわきまえ、
「よろしき面影」を大切にするという高遠な美意識がつづられ、それが悟りの境地につながるものだと説かれています。
この教えは、歴代の家元によって継承され、現在も生き続けています。
京都の中心地として有名な「へそ石」は「本堂古跡の石」と呼ばれ、六角堂の山門を入って右側の敷石の中央にあります。
江戸時代末まで祇園祭の山鉾巡行の順番を決めるくじ取り式は、六角堂でおこなわれていました。室町時代、寛正2年
(1461)の飢饉では門前で炊き出しがおこな
われ、応仁の乱後、下京と上京に分かれた
後、六角堂は下京の町堂として町衆の信仰を
集め、集会所や公民館のような機能も果たし
ていました。この様なことからも京都の中心
地と言われる所以であります。
春には桜の名所としても有名です。